大阪で機械部品メーカーの営業をしている岡村です。
頭頂部が薄くなってかつらを使い始めてから、8年になります。
先日、古い知人から「医療用のかつらって、普通のと何が違うの?」と聞かれました。
家族が抗がん剤治療を始めるそうです。
8年も使っているのに、うまく答えられませんでした。
そこで調べたことを、薄毛用のかつらを使っている立場からまとめておきます。
「医療用」の目安はJIS規格
医療用ウィッグには、2015年に制定されたJIS S 9623という国の規格があります。
NITE(製品評価技術基盤機構)の2017年の報道発表によると、この規格には色落ちのしにくさを調べる堅ろう度試験のほか、頭皮への刺激をみるパッチテストが定められています。
粗悪品が出回ることがあり、品質の基準がなかったことが制定のきっかけでした。
業界団体の日本毛髪工業協同組合は、この規格を満たした製品に「Med・ウィッグマーク」を付ける認証を行っています。
一方で、東大病院がん相談支援センターの資料には、「医療用」と「おしゃれ用」に厳密な差はないと書かれています。
「医療用」と書いていない製品にも良いものはある、とも。
表示だけで決めず、肌あたりや着け心地を自分で確かめたほうが確実です。
薄毛用のかつらと比べるとここが違う
私が使っている部分かつらと並べると、違いは次のとおりです。
| 医療用かつら | 薄毛用の部分かつら(私の場合) | |
|---|---|---|
| 覆う範囲 | 頭全体を覆う全頭タイプ | 薄くなった部分だけ |
| 着け方 | かぶってアジャスターやストッパー、テープで留める | 残っている自毛に留めたり、頭皮に貼ったりする |
| 用意できるまで | 既製品を当日持ち帰れる店もある | オーダー品だと約2か月 |
| 肌への配慮 | パッチテスト済みの製品もある | 製品によってまちまち |
抗がん剤による脱毛は、薬が変わると抜ける範囲も変わることがあります。
薄い部分だけを隠す薄毛用とは、そもそもの考え方が違うと感じました。
用意する前に確かめておきたいこと
国立がん研究センターのがん情報サービスには、治療が始まってから毛が抜け始めるまで数週間あると書かれています。
慌てて買う必要はないものの、治療前に種類や値段を調べておくとよいそうです。
知人には次のことを伝えました。
- 価格は数千円から数十万円まで幅がある
- 返品や交換ができるかを、買う前に確かめる
- 自治体によっては購入費の助成がある(横浜市は上限1万円など)
- 2010年の政府答弁書で、医療費控除の対象にはならないとされている
- 自毛が伸びてきたあとの調整まで相談できる店を選ぶ
あわせて、インクリーズヘアーという店も紹介しました。
個室で試着でき、理容師か美容師の資格を持つスタイリストが無料でカットしてくれます。
治療を終えて自毛が伸びてきたあとの調整カットも無料です。
家族からの問い合わせも受け付けているので、本人が動きにくい時期でも頼みやすいと思います。
気になる方は医療用も扱うかつら専門店、インクリーズヘアーのサイトをのぞいてみてください。
まとめ
医療用かつらには、頭皮への刺激を確かめるJIS規格があり、頭全体を覆う作りが基本です。
ただ、表示がなくても良い製品はあります。
8年かつらを着けてきて思うのは、落ち着いて過ごせるかどうかは試着しないとわからない、ということです。
治療が決まったら、まずは情報を集めて、試着できる店に足を運んでみてください。
